電動キックボードで公道を走るときに知っておきたい条件やルール

       

公開日:2023/07/03


電動キックボードは車両と同じ扱いになっており、公道を走る際はさまざまな条件やルールが存在します。決められたルールを守らなければ法律違反となり、罰則や罰金が発生する場合があります。

この記事では、電動キックボードで公道を走るときの条件やルールだけでなく新しい区分の特定小型原動機付き自転車、バイクの保険、より快適に使う方法について解説します。最後まで読んで、快適で安全に電動キックボードを使用しましょう。

電動キックボードとは

電動キックボードとは、電気モーターを装備したキックボードで、道路交通法では「車両」という位置付けになっています。モーターの出力によって細かく区分されており、0.6kw以下であれば原動機付き自転車、0.6kw以上であれば普通自動二輪車に分けられます。

電動キックボードで公道を走るためには条件やルールがある

操作も簡単で手軽に乗れることから新たなパーソナルモビリティとして注目が集まっている一方で、公道を走るためにはさまざまな条件やルールが存在します。条件やルールを守らないと事故につながるだけでなく、法令違反になるためそれぞれ詳しく解説します。

公道を走る条件

電動キックボードは車両扱いになるため、公道を走る際は運転免許証やヘルメットの着用、自賠責保険への加入、ナンバープレートだけでなく、方向指示器や前照灯、番号灯、バックミラーなどの道路運送車両法に応じた装置が必要です。

条件を満たさない電動キックボードで公道を走行した場合、無免許運転で3年以下の懲役または500,000円以下の罰金、整備不良では3か月以下の懲役または500,000円以下の罰金が発生します。

また、自賠責保険は交通事故のさいに加害者が背負う経済的な負担を軽減してくれるものであり、原動機付き自転車をふくむすべての自動車が加入しなければいけない保険です。電動キックボードも原動機付き自転車に該当するため加入が義務付けられています。

電動キックボードは歩道も走行可能?

手軽に乗れることから「歩道の走行ができるのか」と気になる方もいると思いますが、電動キックボードで歩道を走ると交通違反になります。なぜなら、電動キックボードは原動機付き自転車と同じ扱いになるからです。

電動キックボードは、公道を走る条件で解説した運転免許証やヘルメットの着用、保険の加入、ナンバープレートや適切な装置の設置だけでなく、走行場所は車道のみで時速は30km以下と決められています。

2023年7月から新しい区分が追加

原動機付き自転車と同じ扱いの電動キックボードですが、2023年7月から法改正により新しい区分として特定小型原動機付き自転車が追加されます。

特定小型原動機付き自転車として扱える電動キックボードには設備上の条件などがあり、これまでの電動キックボードとはルールも異なるためそれぞれ詳しく解説します。

特定小型原動機付き自転車

2023年7月から新たに、特定小型原動機付き自転車という区分が追加されます。

具体的には、時速が20km以下で定格出力が0.6kw以下、長さが1.9mで幅が0.6m以下のもので制動装置や方向指示器、前照灯、バッテリーの安全性、警音器、尾灯、制動灯、後部反射器、最高速度表示灯が装着されているものが該当します。

特定小型原動機付き自転車のルール

従来の電動キックボードと特定小型原動機付き自転車の最大の違いは運転免許証の有無です。特定小型原動機付き自転車は、16歳以上という制限はありますが運転免許証が不要になります。

また、ヘルメットの着用は努力義務になり、走行場所も6km以上20km以下であれば車道や自転車レーン、路側帯の走行が可能で、時速6km以下で最高速度表示等を点滅させれば歩道の走行も可能になります

電動キックボードを使うさいに加入すべき保険

使い勝手がよく使用条件やルールの緩和もあり、さらに注目を集める電動キックボードですが使用するさいは自賠責保険以外に任意の保険への加入がおすすめです。

従来の電動キックボードや新区分の特定小型原動機付き自転車は、どちらも自賠責保険への加入は必須になっており、他の車や自転車、歩行者と同じ道路を走行するため事故などのトラブルはつきものです。

しかし、自賠責保険は対人の事故に対して補償するものであり物損などは補償されません。

自賠責保険では補償できない部分を任意の保険で対応することで事故の被害者だけでなく、物損事故や自損事故など幅広く補償してくれます。具体的な保険について詳しく解説します。

バイク用保険

バイク用保険とは、バイクの為に加入する任意保険のことで対人や対物補償だけでなく、自損事故や搭乗者に対しても補償してくれます。また、ロードサービスも利用できるため非常時に迅速な対応も期待できます

補償範囲が広く非常時の迅速な対応も可能なため、その他のバイクに対する保険と比べ保険料が高いだけでなく、保険を使用した場合保険等級が下がり翌年からの保険料も上がります。

一方で、排気量による適応範囲の影響もなく、無事故でいれば保険等級が上がり保険料が安くなります。

ファミリーバイク特約

ファミリーバイク特約とは、任意の自動車保険に付帯できる保険で、対人や対物補償だけでなく、自損事故に対しても補償してくれます。また、保険料が安いだけでなく、保険を使用しても等級は下がらず、所有するバイクだけでなく友人から借りたバイクでも補償してくれます。

一方で、基本的には搭乗者に対しての補償はなく、ロードサービスも利用できません。また、排気量にも制限があり、125cc以下のバイクと決められています。

電動キックボードをより快適に使うためには

電動キックボードは、バイクの様な機動力がありながらも車や自転車に比べサイズがコンパクトなため工夫することでさらに快適に使用できます。電動キックボードの特徴や公共機関の決まりをふまえて快適に使用する方法を解説します。

リュックを活用

電動キックボードを乗車するさいはリュックを活用することでより快適に使用できます。電動キックボードの多くは重心が傾き転倒の危険があるため収納がないタイプのものが多く、荷物の持ち運びができません。

そのため、リュックを使用することで収納性の低さをカバーできます。電動キックボードは屋外で使用するため、背負えるタイプのもので防水性能に優れたものがおすすめです。

決まりを守って電車を活用

電動キックボードは、車両扱いとなりますが原動機付き自転車とは違い電車への持ち込みが可能です。

各鉄道会社により細かい制約はありますが、持ち込むさいは縦、横、長さの合計が250cm以内であることや重量は30kg以下であること、持ち運び用のケースにしまうことが必要になります。

まとめ

電動キックボードは、道路交通法で「車両」として扱われており、原動機付き自転車と同じルールで公道を走る必要があります。

具体的には、走行場所は車道のみで運転免許証の携帯やヘルメットの着用、自賠責保険への加入、ナンバープレートの設置、道路運送車両法にもとづいた装置の設置が必要です。

2023年7月からは、新たに特定小型原動機付き自転車という区分が追加され、運転免許証は不要でヘルメットの着用は努力義務になります。また、16歳以上であれば乗車可能で、速度によっては車道だけでなく路側帯や歩道の走行も可能です。

電動キックボードで公道を走るさいは設備上の条件を満たして、正しいルールで安全に走行しましょう。

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